先日、谷崎潤一郎「少将滋幹の母」を読んだが、80歳の藤原国経の北の方が菅原道真を讒訴したことで知られる左大臣藤原時平に略奪され主人公滋幹が40数年後に再開するストーリーだが、前半は平安時代の貴族社会とろうたけた女性が描かれが後半は不浄観という仏教の教えが描写されている破綻のない小説である。
国経が訪れた場所は今昔物語に残されているとおりこの時代人がなくなると鳥辺野、化野、蓮台寺と葬送の地があったが鴨川や空き家、路上に放置されることもあった。
ここ西大路通りの葬送の地、西院には特に子供の亡骸が遺棄されるなど悲惨な様態であったことが記録されている。空也上人がそれを哀れみ地藏菩薩を刻み供養したと語り継がれているが高山寺の創建は年代は不明だが地蔵菩薩により王朝時代の人々の生活の営みの一端が1,000年も経過しても保存されている京都でも大切な寺院だと感じさせられその時はiPhoneで撮影した。
読み終わり化野念仏寺は良く知られている当然その面影はないが京都西大路四条通に高山寺にも西院(さい)河原として知られる画像があることに気づき掲載した。
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