東遊園地にあるモラエス翁像の解説文には
ウェンセスラオ・デ・モラエス(1854〜1929)はポルトガルの元軍人、文豪である。明治22年(1889年)35歳のとき、私用で初めて神戸の地を踏んだ。その後、二度日本を訪れ日本の美しさに心をひかれた。海軍中佐になってから日本移住を決心し、本国からの帰国命令に反して、明治31年から神戸に住むようになった。
同年11月、友人のすすめで大阪、神戸のポルトガル領事館につとめ、のちに副領事となる。明治33年(1900)11月、福本ヨネと結婚し、山本通2丁目、加納町2丁目などに住んで、日本風の生活を身につけた。
大正元年(1912)8月ヨネが死に、彼女のことを忘れ得ず、公職(神戸総領事兼イタリア領事)を退いて大正2年、ヨネのふるさと徳島に移り住んだ。その後、ヨネの姪コハルと結婚したが、コハルにも先立たれ、徳島市伊賀町で、独居生活をつづける。75才のとき土間から落ちて重傷を負い逝去した。
著書には「極東遊記」「日本夜話」「日本支那風物誌」「日本精神」「おヨネとコハル」など二十数編がある。
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